「電車の中にて想う」

「詞書」

或る春の日、2時間ばかり電車に乗らなくてはなりませんでした。朝9時過ぎに家を出て駅に向かう。街路樹の根元に咲いている花一輪が「オハヨ」と言ってくれてるようです。

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駅の手前にあるフェンスに囲まれた喫煙スペースが目にとまり、ちょっと寄りました。

紫煙が早朝の青空に消えてゆくのを目で追っていると、バケツと布を持った高齢の小柄な男性が入ってきました。二つ置かれている吸い殻入れのうち一つの下の扉を開け、中の水を交換し始めます。

その作業を何気なくボンヤリ眺めていましたが、程なく吸い終えて喫煙場を後にし、改札口に向かいました。

歩いてる途中、さっきの高齢男性の事が妙に頭に残ります。あの人のこれまでの人生はどんなだったのだろう。

定年退職のあと体を動かす為に公共清掃の仕事をしているのか、
或いは、職を転々と変えてきた結果なのか、
もしかして、何かの創作活動に没頭してる間に年老いたのか…。

そんな事を想いながら、改札を通り抜けホームに向かいました。チケットの番号の席に座り、頭を後ろに もたれさせた姿勢でボーッとしていると、どういう訳か何十年も前に読んだO・ヘンリーの短編小説の一つが思い出されてきた。

そこから頭は夢想を始めます。スマホを取り出し文字を打つ。窓の外を眺めては、また文字を打つ。

目的地に着く頃には、雑ではあるが一つの話を書き終えた。翌日の夜、その文章に少し手を加えます。その後は放置していました。

 

十日くらい経ったでしょうか、日曜日の午前中、改めてスマホの文章を見返したのですが穴だらけです。午前10時半頃から(休み休みだが)夕方5時過ぎまでかかって手直し加筆をして、夢想話作りで遊びました。

『最後の一葉』という短編がベースなのでオリジナルという訳ではありません。なので、敢えて作品とは言いません。草パロディの雑文です。

題は『最期の一花』にします。

こんなん できました。